Vionnet ヴィオネ
マドレーヌ・ヴィオネはバイアスカットの女王と呼ばれる20世紀初頭を代表するデザイナー。
1876年、フランス、オーベルビリエ生まれ。12歳でクチュールのメゾンで奉公を始める。18歳でイギリスに渡る。ロンドンにて紳士服のケイ・レイリーで経験を積む。ケイ・レイリーで5年間経験を積んだ後の1900年、フランスに帰国。
その後、1907年からジャック ドゥーセのメゾンでデザイナーを経験。このときにヴィオネはコルセットを外すデザインを打ち出していたが、デゥーセの顧客と売子の嗜好性もあり、あまり売れなかったという。
ギリシャのスタイルを取り入れ、20年代~30年代には珍しい、サテン、ギャバジンなど珍しい素材を使用した。また通常必要とするより多くを使用して美しいドレープを表現した。
クリスチャン ディオールのジョン ガリアーノがよく使用するテクニック、バイアスカット(布を織り目を斜めに使うカッティング)の創始者として知られている。バイアスカットを使用することで、服が身体にしなやかに巻きつき、身体の形状が強調され、美しく見えるようになった。
1975年パリにて死去。
1988年、デ・リュメン(De Lummen)家が「ヴィオネ(Vionnet)」のブランドを獲得し、2006年にソフィア ココサラキをクリエイティブ・ディレクターに迎えて本格的にブランドを再開させるも、自身のブランドに専念するために2007年に辞任。後任として、マルク・オーディベ(Marc Audibet)を起用するも1年で辞任。その後はデザインチームがコレクションを手がけた。
ヴァレンティノ出身の経営者マッテオ・マルゾットによるブランドの買収を経て、2009年に新クリエイティブ・ディレクターにロドルフォ・パリアルンガ(Rodolfo Paglialunga)が就任。
2011年、バルバラ・クローチェとルチア・クローチェの姉妹がクリエイティブ・ディレクターに就任。
2012年、ロシア人の実業家ゴーガ・アシュケナージ(Goga Ashkenazi)が買収し、クリエイティブも担当することになった。2014年、フセイン チャラヤンがヴィオネのデザインに参加。
2018年、「ヴィオネ」ブランドの清算手続きが行われ活動が終了。